やさしい税務会計ニュース
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文書作成日:2024/10/15
令和6年の定額減税における「調整給付」と所得税

[相談]

 私は、ある会社でパートタイマーとして勤務しています。
 私の年収は120万円程度で、給与に課される年間の所得税額は数千円程度です。
 このため、今年(令和6年)実施されている所得税の定額減税において、私の定額減税額(3万円)から引ききれない(減税しきれない)金額が発生すると思います。
 このような場合、引ききれなかった減税額については給付措置(調整給付)があると知ったのですが、その給付金についての所得税の取扱いはどのようになっているのでしょうか。

[回答]

 ご相談の給付措置(調整給付)により支給される給付金には、所得税は課税されません。
 なお、受け取った給付金は、その他の財産とともに、相続の対象になることとされています。詳細は下記解説をご参照ください。

[解説]

1.定額減税で引ききれないと見込まれる場合に行われる給付措置の概要

 定額減税額を毎月の給与の所得税額などから引ききれないと見込まれる人については、各人の個人住民税が課税される市区町村において、給付措置(調整給付)が行われることとされています。

 具体的には、以下のような方法で行われることとされています。

(1)当初給付

 令和6年夏以降、個人住民税が課税される市区町村において、令和5年の課税状況(所得税・個人住民税)に基づき、定額減税で引ききれないと見込まれるおおむねの額が支給されることとされています。

(2)不足額給付

 個人住民税が課される市区町村において、令和6年分の所得税と定額減税の実績の額が確定した後、上記(1)の当初給付では不足する金額があった場合に、追加で給付されることとされています。

 なお、この不足額給付については、令和6年分の所得税と定額減税の実績の額が確定する必要があることから、令和7年以降に、個人住民税が課税される市区町村から支給されることとされています。

※ 対象者には市区町村から確認書(支給のお知らせ、申請書など、市区町村によって名称が異なります)が届けられることとされています。

※ 調整給付(当初給付・不足額給付)は、原則として、それぞれに対して「受け取る」旨の意思表示(受贈の意思表示)が必要とされています。

2.給付措置に対する所得税の課税の有無

 所得税などの税金は、上記1.の給付措置により支給される給付金に対して課することができないと法律で定められています。

 また、政府によれば、受け取った調整給付は、その他の相続財産とともに相続の対象となるとされていますのでご留意ください。

[参考]
物価高騰対策給付金に係る差押禁止等に関する法律4、内閣官房ホームページ「新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置」、国税庁「令和6年分所得税の定額減税Q&A(概要・源泉所得税関係【令和6年9月改訂版】)」など

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